The Decisive Collision A

マリンの身体の主導権が「リン」に移り、チームにも馴染んできたと言える頃。
シャーレベンメンバーの端末に、唐突に通信が入る。

マリン 「あー、テステス…… 聞こえてる?」

雑音交じりの機械音と共に通信が繋がり、リンの声が流れた。

フレイ 「……ん…リン、か?」
シャムシール 「はーい。こちらは聞こえてますよー。」
ルリ 「うん、どうかしたの?」
マリン 「しーっ、名前とか呼ばないでよね。 これシークレットなチャンネルなんだから。」
マリン 「ま、そのせいでチーム内何人かには聞こえてないかもしれないけど……」
ルリ 「……?」
シャムシール 「シークレット…そんなのがあったんですね。」

通信に時折混じる雑音は、正規のチーム回線ではないことを表している。
とは言え、リンに特殊な回線を持ち出すほどの技術があるとは思えないが……

マリン 「ん、それは良いわ。 とりあえず、この通信が聞こえてたら、チーム拠点に来てくれる? そーーっと、ね。」
フレイ 「謹慎してるから、ってことか?……わかった」
ルリ 「……わかった。そーっと、ね。そーっと……」
シャムシール 「了解でーす。そーっと向かいますね。」



場所は浮遊大陸拠点に移り、通信を受け取ったフレイ、ルリ、シャムシールが集合する。
そこでリンは、何をするでもなく空を眺めていた。

ルリ 「えっと…………。……あ、いた」
マリン 「誰にも見つからなかった?」
フレイ 「……特には」
ルリ 「……たぶん?」
シャムシール 「…と、思いますけど…。」
マリン 「不安になる返答ね…… ……ま、別に見られてても良いか。」

軽く手招きをしたリンの元に3人が寄り、リンが手に持った端末を掲げ見せる。

マリン 「これ見て。」
ルリ 「……?」
シャムシール 「…ん?なんですか、それ。」

端末の画面には、ある市街地の一角が襲撃を受けた報が載せられていた。
情報に付属している時刻は、つい先程を示している。

フレイ 「……いつも通り、ダーカーか?」
マリン 「まだ他のアークスには知らされてないわ。 で、わたし達がここに向かう。」
ルリ 「……わたしたち? でも、リン……謹慎は、もう?」
マリン 「解けてないわよ。 だから、内緒で呼んだの。」

以前の任務で受けた謹慎命令はそのまま。それでもリンは不敵に笑って言う。
それに薄く笑って首を傾げるシャムシール、訝しげにその表情を伺うフレイ、困り顔のルリ……と、反応は様々。

シャムシール 「いーんですか?それ」
フレイ 「……どこからこの情報を手に入れたんだ?」
マリン 「ひーみーつ。とにかく、市民のピンチに駆けつけるのが、正義のヒーローアークス様でしょ?」

唇の前に人差し指を当て、フレイの追求をはぐらかす。
そんなリンに小さく溜息を吐き、

フレイ 「………ま、確かに……今も誰かが襲われてるんなら、何はともあれ…行くしかないな」
ルリ 「そう、ですね。……でも、リン。リンも……どうしても、行かなきゃいけない、んだね?」

ルリの真っ直ぐな問いに、リンの表情から一瞬笑みが消える。
が、正面から視線を交わし、ふっと笑って答えた。

マリン 「……ええ、その通り。 行かないとダメなの、わたしは。」
マリン 「だから、あなた達の力を借りたい。 どう、受けてくれる?」
シャムシール 「ひみつの理由は後で聞くとして…。当然、お供しますよー。」
フレイ 「前に言った通りだ。できることはしたい。…喜んで貸すよ」
ルリ 「わかった。行こう」
マリン 「ふふ、それでこそ。」

真意を計るようにリンを見つめていた3人だったが、それぞれはっきりと頷いた。

ルリ 「……出撃できるなら、すぐの方が良いですね。……待ってなんか、くれないし」
マリン 「ん。ということで、船はとってあるから。 わたしについてきて。」

それぞれの反応を見て満足げに、リンが一歩先に出る。

フレイ 「そりゃ勿論。早く行こうぜ」
ルリ 「うん。……船、取れたんだ……意外と謹慎ってゆるいのかなぁ」
シャムシール 「はは。同じく、こちらはすぐにでもいけますよ。」
マリン 「ま、ちょっと協力者がね…… よし。 それじゃ、行くわよ。」

リンを先頭に、集まった一同はキャンプシップへと足を進める。


  • 最終更新:2016-03-20 23:45:30

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