Approach For ROMEO
...
ヴィオラ 「はふーん。今日もいい日和のお天気さんですねぇ。みなさぁん、元気しちゃってますかぁ}
ロミオ 「…・・ちっす
ヴィオラ 「はい、ちっすちっすさんです
ヴィオラ 「こーんな日はぼんやりしちゃいたくなっちゃいますねぇ。あ、でもでもぉ
ヴィオラ 「スリヴァーさんはちゃあんと、前見て任務に精進してくださいね?
ヴィオラ 「ヴィオラんのせいでぇ、小指のお怪我しちゃったら、ルリさんにメッ、されちゃうのですぅ~
ヴィオラ 「んっふふのふー
ロミオ 「…言われるまでもねえ…
ヴィオラ 「でも言われる事実、察してくださいねぇ? ふふふ。
ロミオ 「……ふ
ヴィオラ 「ふふふのふ?
ロミオ 「……あんたの言葉を象徴するように
ロミオ 「……タガミカヅチに襲われた
ロミオ 「……何なの
ロミオ 「…つつ
ヴィオラ 「お怪我、しちゃいましたか? ん、ん?
ロミオ 「…少し痺れただけだ。問題ねぇ
ヴィオラ 「そうですかぁ、大変ですねぇ。
ヴィオラ 「何が大変って
ヴィオラ 「そう強がっちゃってないと置いてけぼりになっちゃうその事実ですよねぇ。
ヴィオラ 「うんうん、ヴィオラん。同情しちゃいますよぉ~。
ロミオ 「……
ヴィオラ 「あは、だからヴィオラん。無理はしないで、なーんて、そんな追いつめ方しませんよ?
ロミオ 「……どうすればいい?
ロミオ 「……どうすれば、アンタは黙る?
ヴィオラ 「ええええ、そんなこといっちゃうんですかぁ
ヴィオラ 「ヴィオラんショックですぅ……泣いちゃいますよぉ、泣くと酷いですよぉ……えーん、えんえーん
ヴィオラ 「あは、なーんて。
ロミオ 「……ちっ…
ヴィオラ 「でも、でもでもぉ、ちょーと、ロミオさん勘違いです。
ロミオ 「……あ?
ヴィオラ 「ヴィオラんはただぁ、代弁してるだけですよ?
ヴィオラ 「だからヴィオラんがだんまりんこさんしてもぉ
ヴィオラ 「それで
ヴィオラ 「ロミオさんの心の声がだんまりんこしちゃいますか?
ロミオ 「……。
ヴィオラ 「気付い、ちゃってますよねぇ。
ヴィオラ 「いろーんな、いろーんな意味で。
ヴィオラ 「自分が"ふさわしくない"って。
ロミオ 「……ッ…
脳裏に芽生えたのは様々な顔。しかし、それはどれもがみな一様に、同じ表情を自分に向け。
ヴィオラ 「うふふ。
ロミオ 「……やめ、ろ。
ヴィオラ 「知ってますよぉ、だから頑張っちゃってるんですよねぇ。張り切っちゃってるんですよねぇ。
ヴィオラ 「でも、結果は……どうですかぁ?
ロミオ 「……やめろってんだよ…
ヴィオラ 「やめて……それはスリヴァーさんの為になるんでーすかぁ?
ヴィオラ 「ちゃーんとヴィオラん代弁してあげちゃわないとぉ……これはただの毒に――
ロミオ 「…黙れってんだよ!
ヴィオラ 「きゃん
ロミオ 「言われるまでもねえ…わかってんだよ…
ロミオ 「誰に言われるまでもねえ…
ヴィオラ 「……
ロミオ 「……俺が一番判ってる
ヴィオラ 「じゃあ、どうすればいいのでしょー。何が最適解なのでしょーねえ?
ロミオ 「……俺は、求められるようにするだけだ
ロミオ 「……今は、それだけだ
ヴィオラ 「そうする事が貴方の為になるから。
必要とされる自分。その充足をあなたが求めるのならば、それをあなたに与えましょう。
ヴィオラ 「単純な、そんな理由で与えられた行為なのに、それを疑わずそのまま信じておられるのですね。
ヴィオラ 「ふふふ
ヴィオラ 「……なーんて。ちょーっとシリアスちっくなヴィオラんでしたぁ。あは
ロミオ 「……
ヴィオラ 「あれ、かっこよくありませんでしたぁ? 惚れませんでしたぁ? おっかしいですねぇ。
ロミオ 「…ねーよ…
ヴィオラ 「ああん、連れないですぅ……ヴィオラんぐっすりんこさんです。ぐっすん。
ヴィオラ 「ん~……でも、そう、ですねえ。
ヴィオラ 「求められたからそうする。これを、ちゃあんと信じてあげちゃうとしてぇ。
ヴィオラ 「いまのスリヴァーさんの努力ってぇ、とんちんかんさんだと、そう思っちゃいませんかぁ?
ヴィオラ 「それで怪我しちゃったら世話ないですしぃ。何もできない事をやって、だなーんて。
ヴィオラ 「だーれも頼んでないと思いますよお?
ロミオ 「…俺は…
ヴィオラ 「はい。
ロミオ 「……守れるように、なりたいだけだ…!
ヴィオラ 「なにを、ですかぁ?
ロミオ 「……
改めて問われる誰何。答えるに値する相手ではない。だから言わない。
……それは、ほんとうに?
ヴィオラ 「ふふふ
ヴィオラ 「ルリさん、お疲れのご様子でしたねえ。立っているのも大変さんだったみたいです。
ヴィオラ 「知ってますか? それってきっと、任務に頑張り過ぎちゃった結果だと思いますよ?
ヴィオラ 「なんでそこまで頑張らないといけなかったんでしょーねぇ。
ロミオ 「……
ヴィオラ 「少なくとも本部はぁ、貴重な人材をできうる限り潰さないようにぃ
ヴィオラ 「任務に際してのレギュレーションを事細かく設けている筈なんですよぉ。
ヴィオラ 「エクストリームなんて、その典型ですしぃ。
ヴィオラ 「だから、本部の意向の結果ではないんです。
ヴィオラ 「じゃあ、本人の意向?
ヴィオラ 「なにが、ルリさんをそこまで駆り立てたんでしょうねえ。いままでここまでの憔悴、例を見なかったのに。
ヴィオラ 「なんでしたら、ルリさんの出撃記録、お見せしてもいいですけどぉ……そこまでしなくても、聡明なスリヴァーさんなら
ヴィオラ 「頑張りの理由、もう察しちゃってますよ、ね?
ヴィオラ 「ふふふ。だから聞いちゃいます。
ヴィオラ 「"求めた"のは、どっちですか?"
ヴィオラ 「あんまり無自覚なのも、罪だと思いますよ?
ロミオ 「……
ロミオ 「……何が、わかる…
ヴィオラ 「……。
ロミオ 「……俺は、俺たちは……
ロミオ 「……くそっ
ロミオ oO(頭が、ごちゃごちゃして
本当か。本当なのか。
疑えばきりがなく。そうと決めたたった一つのものさえも。
……それだけは、"穢して"はいけないのに。
ヴィオラ 「飛べない羽ならば、
ヴィオラ 「ないほうが、いい。
ヴィオラ 「……違いますか?
ロミオ 「……何だと?
ヴィオラ 「さて、なんなんでしょーねぇ
ロミオ 「………しぬか…?
ヴィオラ 「やーん、ヴィオラん痛いの嫌いですよぉ
ロミオ 「……
ロミオ 「……アンタの言うことが正しいとしても
ヴィオラ 「……
ロミオ 「…それをアンタがいう権利はねぇ。
ヴィオラ 「そうですねぇ……
ヴィオラ 「おウマの足に蹴られるととっても痛いですしぃ、ヴィオラんも痛いの嫌いですしぃ。
ヴィオラ 「でもでもぉ
ヴィオラ 「ヴィオラん、必要な事を必要な事しか言わないですよ?
ヴィオラ 「お仕事って大変ですねぇ、ヴィオラん世知辛いですぅ。
ロミオ 「……じゃあ、覚えておきな
ロミオ 「……それが野暮だって言うんだよ。
ヴィオラ 「えー、だってぇ
ヴィオラ 「その野暮を怠ってぇ、たくさんの被害出しちゃったらヴィオラん怒られちゃいますよぅ。えーん、えんえん。
ヴィオラ 「……ちらちら。
ロミオ 「…その怒る相手ともども、馬に蹴られればいいのさ
ヴィオラ 「わーお、エゴですねぇ。自分勝手ですねぇ。
ロミオ 「……ブッ込んでやるよ。痛ぇやつを。
ヴィオラ 「その"痛ぇやつ"は
ヴィオラ 「ふふふ
ヴィオラ 「それでさえ、スリヴァーさんのものじゃないじゃないですかぁ。
ヴィオラ 「誰に、なにを教わって、ここに、いるんですかあ?
銃把の握り方。引き金をひく事の意味。そして誰に誘われ、いま己は"此処"に居るのか。
ロミオ 「……あ…?
ヴィオラ 「なあんにも、ないじゃないですか。スリヴァーさん。
ヴィオラ 「だからスリヴァー(木っ端)。
ヴィオラ 「そう、名乗ったんじゃないですか?
ヴィオラ 「うふふ。
ロミオ 「……
ヴィオラ 「でも
ヴィオラ 「そんな自分でも
ヴィオラ 「ようやく見つけた力がある。
ヴィオラ 「……違い、ますか?
ヴィオラ 「誰に、どんなに愛しいヒトから否定されたとしても
ヴィオラ 「それでもようやく見つけた、"そうであるかもしれない"自分だけの力。
ヴィオラ 「その翼なら、もしかしたら飛べるかも知れない。
ヴィオラ 「その翼なら、もしかしたら護れるかもしれない。
ヴィオラ 「……ありますよね?
ヴィオラ 「違いますか?
ロミオ 「……それ、は…
この女は……なにを、言っている。
ヴィオラ 「ふふふ。それならきっと痛ったいでしょうねぇ。
ロミオ 「……やめろ…
ヴィオラ 「ふふふ。そうですねぇ、辞めておきますよぉ。
ロミオ 「……そこまでして、欲しい物じゃ…
ヴィオラ 「せっかくの優しい世界、壊したくないですものねえ。
ヴィオラ 「それを壊すくらいなら、無力なままのほうがいいですものねぇ。
ロミオ 「……ぐ、ぅ…
ヴィオラ 「でも、考えちゃってみてください。
ヴィオラ 「無力な自分は、いままでどうしちゃってましたか?
ヴィオラ 「立ち向かえましたか? 受け入れられましたか?
ヴィオラ 「ただ、逃げただけに終りませんでしたか?
ヴィオラ 「そして、今回。いつ、"逃げる"んでしょうねえ。
ロミオ 「……や、め…ろ…
此処は違う。いままでとは違う。ちゃんと、"信じて"いい場所なんだ。
ヴィオラ 「ふふふ
ロミオ 「…黙れ……ぐ、ぅ……傷、っ…
もう、会うことはできない愛しいヒト。慈しみ、育んでくれた、あのヒトのほほえみが。
"彼女"と、かさなって……。
ヴィオラ 「誕生には痛みが伴います。
ヴィオラ 「小さくてやさしい世界。
ヴィオラ 「それを覆う殻がひび割れ、砕ける事で
ヴィオラ 「より大きな世界に足を踏み入れる事がかないましょう。
ヴィオラ 「もう一度言います。
ヴィオラ 「これは、私の言葉ではありません。
ヴィオラ 「貴方の、内なる言葉。その願望。
ロミオ 「……もう…
ヴィオラ 「止まり木に留まるか、羽ばたくか。
ヴィオラ 「いまがその分路とお思いください。
ロミオ 「……黙れってんだよ!
怒号。それは磨り潰されるよな叫喚であり、そして。
続くのは物理的な破砕を伴う轟音と、その威に圧倒されるようノイズ。
ヴィオラ 「……
ロミオ 「……俺は…ヒトだ…!
ロミオ 「……ヒトとして…小さなやさしい世界で…
ロミオ 「…ぐ、ぎ…く、そぉ…
ヴィオラ 「……
ヴィオラ 「アークス。
ヴィオラ 「いま、貴方が立つ場所に無辜は不要です。
ヴィオラ 「それを選び取るのならば、もっと早い段階で選び取るべきでした。
ヴィオラ 「家を出るまえに。彼女に出会う前に。
ヴィオラ 「彼女と誓いをかわす前に。
ヴィオラ 「そのままの貴方では、すべてにおいて害悪でしかないということを
ヴィオラ 「もう、理解なされているのでしょう?
ロミオ 「……
ヴィオラ 「ふふ。とは言え
ヴィオラ 「御せぬ馬をただ暴れさせるつもりもございせん。
ヴィオラ 「貴方の願望通り、ここまでにしておきましょう。
ヴィオラ 「気付きなさい、ロミオ。
ヴィオラ 「この道を選んだ瞬間
ヴィオラ 「あなたは、もう
ヴィオラ 「ヒトであっては"いけない"のですよ。"
ロミオ 「……
ヴィオラ 「なーんて、あは♪
ロミオ 「……ふざけ、やがって…
ロミオ 「……選ぶ余地なんて……
ヴィオラ 「はい、現実はフィクションより陰惨ですしぃ。
ヴィオラ 「ヴィオラんみたいないやし系は絶対必要さんなのです
ロミオ 「……
ヴィオラ 「んふふ。残酷ですねぇ、過酷ですねぇ。ムラムラしちゃいます
ヴィオラ 「ロミオさんの端末に、ヴィオラんのアドレス、贈っちゃいましたぁ
ヴィオラ 「んふふ。デートのお誘い、いつでもおーるおっけ、ですよ?
ロミオ 「……あぁ。早々に人気の無い所に呼び出すかも知れねーぜ
ヴィオラ 「わーお、大胆ですねぇ。ルリさんに怒られちゃいますよぉ、いいんですかあ?
ロミオ 「……他の奴らにも、何を言ったか知れねーが
ロミオ 「……アンタは毒だ。
ヴィオラ 「あは
ヴィオラ 「知ってますよお。
ロミオ 「……尚タチが悪ィな、クソッタレ。
ヴィオラ 「その毒は、スリヴァーさんに届いちゃいましたかあ、ちゃあんと。
ヴィオラ 「うふふ
ヴィオラ 「綺麗なお花には棘があるって言いますしぃ。
ロミオ 「……自分で、言うかね…
ヴィオラ 「にっししぃ~
ヴィオラ 「綺麗なだけの模造品ならいらない。
ヴィオラ 「それってぇ、そこだけはぁ、きっとスリヴァーさんとおんなじ意見だと思うんですよねぇ~。
ヴィオラ 「だから……がっかり、させないでくださいね?
ロミオ 「……
ヴィオラ 「うふふ。じゃあ、しっかり林檎の味噛みしめて、感想、ちゃんと教えてくださいねぇ。
ロミオ 「……期待に沿えるかはわからねえが
ヴィオラ 「あは
ロミオ 「……いずれ痛ぇの、食らわしてやるよ
ヴィオラ 「わーお、怖いですねぇ。破瓜の傷み再びですぅ。やーん、やんやん
ヴィオラ 「ふふふ、じゃあ、それも含めてお待ちしてますよ?
ロミオ 「……あぁ。首を洗って待っとけ
ヴィオラ 「はぃー、全裸待機でしおしおとお待ちしてまーすっ。うふ
ヴィオラ 「でわでわっ、ヴィオラんこれにてまった来週ぅ~
ロミオ 「……
【整備班からの通達】
整備班からキャンプシップの使用について、小隊にクレームがあった模様。
以下、整備員の声。
以下、整備員の声。
「・・・いやね、はしゃぎ過ぎなんですよ。そちらの隊、預かりの・・・ロメオ?ロミオ?スリヴァーさんですか?
・・・ええ、シップの中が傷だらけで・・・そう、大きな爪痕みたいなのがね。もうボロボロですわ。
どんな武器を扱わせてるのか知りませんがね・・・気をつけて欲しいもんですよ・・・ええ・・・」
・・・ええ、シップの中が傷だらけで・・・そう、大きな爪痕みたいなのがね。もうボロボロですわ。
どんな武器を扱わせてるのか知りませんがね・・・気をつけて欲しいもんですよ・・・ええ・・・」
- 最終更新:2014-09-25 10:40:04