20161204

ヴェネダレッタ邸。窓の外は一面の雪景色に彩られている。
暖炉で火が弾ける音に混じって、こん、こん、と控えめなノック音が二度、響く。

マリン ルリ、私です。 入って構いませんか?
ルリ あ…… (ミルクティーを煮ていた手を止めると、火を弱めてぱたぱたと玄関先へ)
ルリ (ひょっこりと、開けたドアから紅茶の香りと共に顔を出し)
ルリ マリン、いらっしゃい。もちろん、どうぞ……
マリン ふふ、お邪魔しますね。 (にこ、と笑顔を返して、ゆっくりと入室する)
ルリ ……ふふふ。今日は、髪、下ろしてるんだね。かわいい
マリン えっ……? そ、そうですね…… ふ、不自然でしょうか。 髪型を変えたりするのは……
ルリ ううん。おんなのひとって感じがして、きれい……気分転換にも、なるしね
マリン (胸にかかった、長い髪を片手で弄んで) ……あ、ありがとうございます……
ルリ あっ、座ってて、今ちょうどミルクティーが入ったの!
マリン ……そうですか? では…… ……折角なので、お言葉に甘えます。
マリン (はにかむように笑って顎を引き、静かに足を進める)
ルリ うんっ (どこか嬉しそうに、ぱたぱたキッチンに向かう)

玄関から見えるリビングには、木製の家具が揃っているのが見える。
マリンが、前時代的とも言える素朴なソファに腰掛けると、良く日向で干された独特の匂いが上った。

ルリ (ラッピーが描かれたマグカップに、紅茶の葉を煮出したミルクティーを注ぎ。それを持ってきながら)
ルリ ……そういえば、具合はどう?
マリン (瞳を細めた、柔らかい笑みで迎え)
マリン ……私ですか? 私は、変わりなく健康体です。 ……身体が不安定であるらしい、という話は聞いていますが……
マリン 今の所、何の問題もありませんし…… ……私より、フレイさんが…… (表情を曇らせ、俯く)
ルリ そう…… (マリンの前にマグカップを置くと、向かいのソファに腰かける) ……フレイさん、何かあったの?

マリン …………。 (苦く沈黙した後、重く唇を開いて) ……単独の調査任務で、敵と交戦して……
ルリ ! (自分のマグカップに口を付けようとした顔を上げる)
マリン 骨折や全身の切り傷、矢の貫通など…… 重傷、です。
マリン 敵は…… ……あなたも遭遇したと言う、スコールという男だと聞きました。
ルリ スコール…… (低くその名前を呟くと、剣呑に目を細めて)
ルリ ……フレイさんは、今?
マリン (胸元に押し当てた片手の指を、もう一つの手で包んで) ラボの自室で、治療に専念してもらっています。
マリン 命や完治後に影響は出ないかと思いますが…… それでもひどい怪我で……。
ルリ ……そう…… (マリンが握る手を見ながら、マグカップ両手で握り) ……フレイさんたら
ルリ そういうことは、報告にも込みでいってくれないと。……まだ、心配かけるの、苦手なのかな
ルリ ちゃんと、きつく言ってあげた?
マリン ……え……と。 それ……は……

マリン (曖昧に言葉を濁す。 伏せた瞳がルリから逸らされ、頬がほんの微かに朱に色付く)

ルリ ……? ……。………… (くる、と傾げた首を、もうひとつ反対側に傾げて、じっとマリンを見つめ)
ルリ …………何かあった? あの……ぎゅうーとか、ちゅーとか
マリン なっ…… そ、そんなことあるわけっ……
ルリ ないの?
マリン (思わず勢いよく立ち上がってから、ちら、と片手の指に目を落とす。それから頬が一層赤く染まり、結局ソファに腰を戻す)
マリン ……そ、そんな、恋人じゃないんですから……
マリン (自分を落ち着かせるように、目の前のマグカップをとると、軽く頭を引いて小さく口をつける)
ルリ ………… (微笑ましげな目でそれを見ながら) ……でも、デートはしたし……
ルリ 今回も、真っ先に……マリンが様子を見に行ったんでしょう?
ルリ そしたらうっかりぎゅーまでなら
マリン ま、まだ勘違いしているんですか、ルリっ……。 デートではなくて、案内です……。
ルリ (にこにこ)
マリン それに、様子を見に行ったと言っても、怪我をしていたのは結果的に、ですし……
マリン ぎゅー、なんて…………。 ……。
マリン …………
マリン (両手でマグカップを持ったまま、赤い顔で俯くと、長い髪が垂れ下がる)
ルリ (言い淀むマリンの様子を肴に、ミルクティーを一口飲んで、ほっと和やかな息を吐き)
ルリ ……されたんだね……
マリン ちっ、違いますよ!? ルリが考えているようなその、あれではなくて、こう…… 違う感じの、えぇと……
ルリ ……ちがうかんじの?

マリン ……と、とにかく、付き合ってはいませんし、これからお付き合いすることも、ありませんよ?
ルリ (首を傾げ) ……どうして?
マリン (伏せた目を逸らす) ……ど、どうしてというのが、どうしてですか?
ルリ だって…… (マリンの顔を視線で追いながら) ……いやじゃ、なさそうだから
ルリ ……いやじゃない、っていうより、もっと、受け入れてる感じがする
マリン そ、それ……は……
マリン (違う、と言うわけにもいかず、視線を泳がせる。 しばらく黙った後、小さく息を吐いて)

マリン ……ルリ。 貴女から見て、私は……フレイさんのことが好き…… というように、見えますか?
マリン それも、仲間として……などではなくて、……男性と、して。

ルリ (ぱちり。瞬いた大きな瞳で、マリンの顔を見て。抱えるようにしていたマグカップを置くと、膝に手をやり)
ルリ ……とくべつ、な感覚は、あるかも。……安心してるなっていうか、元気が出てるって、いうか
ルリ それが、マリンにとっての……おとこのひととして好き、なら……そういうこと、なんだと、思う

マリン ……特別…… (先ほどと同じように、胸元に当てた片手の指を、もうひとつの手で包んで)
マリン …………
ルリ (にこにこと見守っている)

マリン ……あの時、フレイさんと会って、ガーゼや包帯だらけの身体を見て…… 今まで、感じたことのない感覚を感じたんです。
ルリ ……。感じたことのない……?
マリン 胸が苦しくて、熱くなって…… ……今、特別、と言われて…… ぴったり当てはまるような……
マリン ……私は……
ルリ ……うん

マリン ……フレイさんのことが、 ……好き…… なのかも、しれません……

ルリ …… (くすくすと、軽やかな笑い声をあげて) ……断定、できないところが、マリンらしいね
マリン (頬を薄く染め、片手で口元を隠す) ……だ、だって、単なる勘違いの可能性もありますし……
マリン ……そういうこと、経験したこと…… なかったから……
ルリ (にこにこ) 特別だって思ったことは、勘違いじゃ、ないんでしょ?
マリン ……そう、ですが。 ルリやロミオ君だって、言葉にすれば勿論特別な存在ですよ?
ルリ でも、私や……ロミオとも、ほかの人とも、違うんでしょ。……変なことじゃないし、素敵だと思うな
マリン ……。 (胸を手で押さえ、視線をマグカップに下げる) ……素敵なこと…… なのでしょうか……。
ルリ ……恋とか、愛で、収まりきらない感情もあるから……まずは、その、とくべつ、で良いと、思う
マリン ……そう……ですね。 ……でも、私は……
ルリ …… (言葉の先を促すように、マリンを見つめる)

マリン もし、これを……恋と、呼ぶなら。 恋というのは、もっと無条件に幸福で、素晴らしいものだと思っていました。
ルリ ……うん……

マリン あなたやロミオ君のことを見ていたから、かもしれません。 でも、私が経験したものは……

マリン (胸元に置いた手を緩く握って) ……苦しい、ものですね。 苦くて、どうしようもなくて……

マリン ……そんな歳でもないのに。 幼稚な憧れを抱いていたのかもしれませんね…… (自嘲するように、笑みを零す)

ルリ (小さく首を振って) ……幼稚、なんて思わないよ。……だって、たぶん、そういう面も、あるから
ルリ ……言えないことがあったり……届かないなって、思うと、苦しいけど……。……今度は何を食べてくれるかな、とか
ルリ 喜んでくれるかな、って、考えるときは……どきどき、するけど、嬉しくて、楽しいから。……
ルリ ……えへへ。食べてくれる、喜んでくれる、って思っちゃうのも、安心しきってるっていうか、信じちゃってるよね

ルリ ……マリンは……そういうこと、ない?

マリン ………… (唇に指を当てながら、しばらく考え込み)

マリン ……そう、ですね。 振り返ってみれば、幸せに思ったこともたくさんありましたし、何度もそういう思いを貰ってきました。
マリン これからも、きっと今まで通り…… 変わらない関係を続けていければ…… 大丈夫、ですよね。
ルリ うん、……。……? …………??

ルリ ……告白とか、しないの?

マリン (薄く色付いた頬を、左右に振る) ……そ、それは、……できません。
ルリ (なぜ、という顔)
マリン ……えぇと…… ……ルリは、フレイさんの過去とか…… ご存知ですか?
ルリ ……うん。前に、少し聞いたこと、あるよ。……フレイさんが、あの件から元気になった辺りで
マリン ……では、ルリになら、話しても問題ないでしょうか……

マリン ……フレイさんは、恋人を喪っているんです。
マリン それも、単なる恋人ではなくて…… 脆い部分を見抜いて、導いて、寄り添ってくれた、大切な人……です。

ルリ …… (薄く開いた口を、閉じる)

マリン (悲壮に目を伏せて) ……どんな思いだったか、私では想像もつきません。 だから……
マリン ユキさん…… その方からフレイさんを奪うことは、できません。 ……フレイさんの方も、きっと頷かないと思います。

ルリ (じっとマリンの話を聞いている)

マリン ……だから、今まで通りで良いんです。 フレイさんの一番は、私ではいけない。
マリン それでも、傍にいて彼を支えられるのなら…… こんなに素敵なことは、ありませんから。

ルリ ……フレイさんは……ユキさん、が、良いって。……これからも、一番じゃないと嫌って、言った?
マリン (慌てて首を横に振り) ……そ、そんな事は言っていませんでしたが……
ルリ ふふ。……じゃあ、マリンが、気が引けちゃうんだね。……フレイさんから、大事なひとをとっちゃう気がして

マリン ……。……辛かったフレイさんを最初に救ったのは、間違いなくユキさんなんです……
マリン ……私じゃ、ない。だから……

ルリ ……マリン (身を乗り出すと、そっとマリンに手を伸ばし) ……きっと、大丈夫。思い出も、もらったものも、なくならない
ルリ すりかわったりも、きっと、しないよ。……それに、そんなこと言ったら……フレイさんはこれから誰も、抱っこできなくなっちゃうよ

マリン (顔を手に持ったマグカップに向けつつ、上目でルリの顔を見て) ……ルリ……。 ……でも、私は……
マリン ……わかりません。 一体、どうするのが正解なのか……。

ルリ ……ふふ (マリンの頬を優しく撫でて) ……とりあえず……とりあえずは
ルリ 変わらない関係を続けてみる、っていうのも、正解のうちじゃないかな……。……それで、マリンが辛く、なったら
ルリ 私も、聞くし……きっと、他にもいっぱい、話をききたい人がいるし。……フレイさんに、直接ぶつけちゃうのも、良いかも
マリン ルリ…… (頬に触れる指の上から、自らの指で軽く触れる)
マリン ……焦る必要はないというのは、確かにその通りですね。 できる限り今まで通り、接してみることにします。
ルリ うん…… (笑顔で頷き)

ルリ ……あっ。もちろん、フレイさんに直接言いにくいことは、全部聞くよ。……どこが好きって思うか、とか

マリン えっ……!? い、いや、それはちょっと…… ですけど……
ルリ ……じゃあ、どこがかっこいい? (にこにこ)
マリン ……ちょ、ちょっと!? ルリ、人をからかうのはやめてくださいっ! (色付いた顔をずい、と押し出し)
ルリ からかってないよ! だって……マリンのそういう話、ききたいし
マリン だ、だから、そういうことを考えられる余裕のある状態ではないんですってば……!
マリン ……ルリはロミオ君のそういう所、ぽんと言えるんですか?
ルリ …………うーん…… (首を傾げて) ……かっこいい、より、可愛い……かな……
ルリ ……カタナを、もってるときは、すごく綺麗な人だなって思うし。……うーん
マリン ……そ、そうですか…… (誰かに同情を送るような、複雑な伏目で)
ルリ ……でも、武器を……構えてるときの横顔とか。……あーっ、て。あーっ、てなる。ならない?

マリン (思い出そうとするように、片頬にてのひらを添えると、やがて薄く頬が色付く)

マリン …………よ、よくわからない……ですね……
ルリ ……本当は、思ってるんでしょ
マリン そ、そんなことありませんよ……! (慌てて両手を振り)

ルリ ……ちょっと…… (意味なく声をひそめ) ……あの、目線の先に立ってみたく、なるよね…… 

マリン ………… (想像に耽るように、ルリの顔から視線を外して黙り込む。 しばらくすると、開いた唇から溜息のような吐息が漏れ)

マリン ……い、いや、だからわかりませんって!

ルリ (にこにこ笑いながら、ミルクティーに口をつけて) あーっ、てなるよね……
ルリ フレイさんは、レンジャーもするから……。……こう……食い入るようなというか……。目が、金色だから。鷹みたいだよね

マリン そ、そうなんです……! 金色の目が、普段は優しくて温かい印象なんですけど、戦闘などで目標を睨む時になると、急に鋭い印象になるのが不思議で……、どちらの時も好きなんですけど、それが……

マリン …………

ルリ (にこにこにこにこ)

マリン (両手で頬を覆い、激しく横に首を振る) ……い、今のは忘れてください!
ルリ ふふふ (思わず柔らかい笑い声を漏らして) マリン、かわいい
ルリ 忘れないけど、誰にも言わないからね
マリン うう…… 助かりますけど、困ります…… (がくりと肩を落として、息を吐く)
ルリ ふふ。ほら……適度に、気持ちを吐き出しておかないと……溢れるから……。定期的に……

ルリ ……そういえばデート、たのしかった?
マリン ……いえ、だからデートじゃ…… (言いかけ、しかし諦めたかのように一度息を吐き)

マリン (出来事ひとつひとつを思い出すように、柔らかく目を細める) ……楽しかったですよ。
マリン 私がいない間に変わった場所の案内ですから、目新しい場所もありましたけど…… そうでない所も、
マリン 二人だと、全然違う感覚がして。 まるで、お嬢様みたいにエスコートしてもらったりして……
マリン ……きっと、これからも忘れられない思い出……だと、思います。
ルリ そう…… (釣られて、嬉しそうに目を細める) 服、ちゃんと誉めてもらえた? ちゃんと可愛いので行った?
マリン (薄く頬を色付かせて) ……え、ええ……。フレイさん、優しいですし……
マリン 私も、背伸びというか…… 私には似合わないかもしれないですけど、ルリと選んだ中でも可愛らしいものを選んだのですが……
マリン ……そのせいで、フレイさんには迷惑を……
ルリ ……迷惑?
マリン (ばつが悪そうに視線を下げ) ……慣れない靴で、足を捻ってしまって。 それで……
マリン ……え、えぇと…… …………運んでもらった、と言いますか……
ルリ …… (ぴん、と閃いたように背筋を伸ばし) おひめさまだっこ、ってやつだねっ
マリン そっ…… ……そう、なる、のかも、しれませんけど……
ルリ わー…… (ほくほくと身を揺すり) フレイさん、大きいし、力持ちだから……すごく安心できそう
マリン (口元に手を当て、思い起こすように) ……そう、ですね…… といっても、他の人から同じ経験をしたわけでもありませんけど……

マリン ……ちなみに、ロミオ君とは普段どのようなデートをしているのですか?
マリン ……あっ、同じことをする、とかではなくて……! 仕事で一緒に出掛けるようなことがあれば、参考にできるところが……
マリン ……あるかな、と……
ルリ …… (にこにこしながら頷いて、そのあと少し考えるように首を傾げる) ……うーん。お仕事、だと……
ルリ ロミオは、デスクワーク多目だし。私は、また別のお仕事もあるから、なかなか、だけど……良く行くのは、ハルコタン、かなあ
ルリ さくらも、もみじ?もあって、綺麗だから……偵察がてら、回るだけで楽しいし
ルリ ……ふふ。お休みの日は、ご飯のもとを買いに行ったり、するよ
マリン ……なる、ほど…… 景色が良い場所は、歩くだけでも、ですね……
マリン 料理の買い物…… その場の会話で、自然に好きなものとか聞くことができれば…… (ぶつぶつ、と一人で呟き)
ルリ ……あ。あと、地球も、楽しい場所だよね。ロミオから聞いたんだけど、町の他に、火山も、凍土も、密林もあるって
ルリ マリンもフレイさんも、地球に潜入任務、行ってるんだよね。あの……地球の、クリスマスのライトアップとか
ルリ 見たら、楽しいんじゃないかな
マリン あ…… 向こうでも、こちらと同じような催しはあるのですね……?
マリン 捜査についているのに、知りませんでした。生徒の方と、もっとお話しないとですね……
ルリ 結構、似た文化とかあるみたい。ふふふ、観察がてら、いっぱい調べたら、きっと楽しいよ……
ルリ ……なんだっけ。はくしょく……でんきゅう? とか……えるいーでぃー? とか、使ってるって
マリン そ、その辺りの知識には疎いですが……。 エスカタワーなどの建物を見る限り、きっと美しいのでしょうね……
ルリ ふふ。きっと、綺麗だよ……あの、フォトンとか、エーテルじゃないんだって。電気をこう……ぱちって……光らせ……なんだっけ

ルリ ……とりあえず、地球のクリスマス事情を探る、調査デート。……リヒャルダさんに申請しとこうか?
マリン なっ……。 そ、それは公私混同でしょう!?
ルリ たまには、良いと思うけどな…… (にこにこ)
ルリ ……マリンも、フレイさんも……いろいろあったし、もっと息抜きしたほうがいいよ
マリン ……う、うぅん…… まずは、フレイさんが身体を治してからですね……それに、レン君達の動きもありますし……
マリン それで休暇がとれたら、でしょうか……
ルリ ふふふ。じゃあ……早く治るように、いっぱい食べさせないとね。……レンさんたちも、そこまで野暮じゃない……かも……だし
ルリ ……英気を養って、いろいろ摂取しようよ。……あっ、また服、買いに行こうねっ
マリン ……そ、そうですね。 次に行く時は、何か作って持っていかないと…… 療養中でも食べられるもの……
マリン ……ま、また選んでもらえますか?
ルリ もちろん! (嬉しそうに頷いて) ……マリンも、私に選んでくれる?
マリン (柔らかい笑顔で応える) ……はい、勿論です。 また二人でカタログを見て悩むのも、楽しそうですね……
ルリ ふふふ。マリンは、服の選びがいがあるから、楽しくて……。また今度、新作が出るらしいね、あそこのお店
マリン それは楽しみですね。 今度の休暇が合えば、一緒に行きましょうか。 またカフェに行くのも、良いですね?
ルリ いく! 今、アヒージョを勉強してて……何を入れたら美味しいか、偵察に行きたかったんだ
ルリ ……ふふふ。楽しいこと、いっぱいだね
マリン (口元に手を添え、上品に笑う) ……ふふ……そうですね。 こういうことを…… 幸せ、というのかもしれませんね。
ルリ うん、…… (マリンの様子を、柔らかな視線で見つめて) ……しあわせ

ルリ oO(……だから……。……手をこまねいている間は、絶対に渡さない)

マリン ……恵まれていますね、私は。 (目を細めてから、時計に目を移す)
マリン あ…… もう、こんな時間ですか。 少し話をするだけのつもりが……
ルリ えっ? (マリンの時計を覗きこみ) ……わあ……。楽しいと、あっというまだから……
ルリ あ、あ、いけない (慌ててキッチンに走ると、小さな包みを持ってきて) 今日の本題だったのに

ルリ はい。リュケイオン・ヴェルガム……。いっぱい飲んでも、二ヶ月はもつよ
マリン (眉を下げた、控えめな笑顔で) ……ありがとうございます。いつもすみません、ルリ。助かります。
ルリ ううん。いっぱいいただくから……ロミオにも、あとでメールしてあげて
マリン (葉を受け取ると、小さく頭を下げ、ソファから立ち上がる) はい、そうしておきますね。
マリン 今度はこちらからご馳走しますから、来てくださいね、ルリ。
ルリ ほんとう? ふふ、楽しみにしてるね……
マリン ふふ…… では、失礼します。 美味しいミルクティー、ごちそうさまでした。
マリン (もう一度頭を下げ、ゆっくりとドアに足を向ける)
ルリ おそまつさまでした。今度は、皆がいるときにも来てね
ルリ (玄関まで見送りに出てくると、ぱたぱたと手をふる)
マリン はい、楽しみにしています。 ではまた、ルリ。
ルリ うん、またね
マリン (笑顔で緩く手を上げ応えると、そのまま手を振りながらヴェネダレッタ邸を後にした)

  • 最終更新:2017-02-20 19:13:11

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